やはりコインロッカー(´・ω・`)
十五章―成り上がりの果て#9
春日と荒川真斗が揉めている時、警官が入ってくる。
総監の息がかかった警官……。
春日は続ける。
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いったん全部捨てて……どん底からやり直しましょうよ。
春日一番「若なら……どん底からまた這い上がれますって」
そのためなら昔みたいにずっと……いつまでも……側にいます。
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春日は警官の方を向き、これまでの件を話す。
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そしてジュンギが撮影した荒川真斗の動画を見せる。
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この映像はすでにネットにあげられている。
アンチも多い民自党、多くの人間が瞬く間に拡散させている。
警官がひとまず署まで……と荒川真斗に近づくが、
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荒川真斗「親っさんに俺の面倒を頼まれたから一緒に一からやり直そうだと? 親父がどうの盃がどうの……俺は昔っからヤクザのその家族ごっこが大っ嫌いだった。義理や絆だと仲間意識を押し付けてくる。……うっとうしくて仕方ねえんだよ!!」
警官を人質になんてとったら……「いくら若でも殺されちまいます……」
春日一番「俺はもう……家族が死ぬのは見たくねえんです!」
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春日は荒川真斗が暴走するのを止められなかった。
春日一番「そして親っさんはもう帰ってこれねえ人になっちまった……。でも若は、まだ帰ってこれるところがあります!! ……帰ってきてください、お願いですから!」
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荒川真斗は人質と一緒にエレベーターに乗り、下へ降りる。
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十五章―成り上がりの果て#10
荒川真斗は一人、街中を歩いていた。
大型モニターにはジュンギが撮影した青木遼の動画が流れていた。
人々は皆それを見て驚きを隠せない状態だった。
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荒川真斗はひたすらに歩き、ある場所へ辿り着いた。
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春日一番「もしかしたら……若は何もかもリセットしちまいてえって……どん底からでもやり直してえって思ってくれてるかもしれない。そう考えたらここを目指すんじゃねえかって……そんな気がしたんです」
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春日一番「ここにいるのは俺と若だけだ。だから……銃なんが必要ありませんよ。そいつは俺に預けちゃくれませんか?」
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18年前のあの日……荒川真斗を捨てたあのホステス。
荒川真斗「堀ノ内のカミさんになってたよ」
都知事になる前、堀ノ内の警視総監就任パーティーに呼ばれた。
素性がバレないように装った荒川真斗は、あの女に言われた。
「あなたには持って生まれた知性と品性を感じます」
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「どうだ? ケッサクだろ!? 所詮そんなもんだったんだ……。俺が名前を変え、身体を変え、人を殺してまで追いかけた権力ってのは……」
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「ムショ出て最初に青木遼って人間を見た時、それが荒川真斗だってすぐ分かりました。間違えるはずがない! 大事な人なんですから!!」
荒川真斗「またお得意の家族愛でも語るのか?」
なんで最後まで荒川真澄も沢城丈も春日一番も荒川真斗を放っておけないのか……それは理屈じゃない。
好きとか嫌いとか、そんな割り切れた感情でもない。
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「アンタは嫌がるかもしれねえけどよ……やっぱり若と俺は兄弟なんすよ」
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荒川真斗は春日に心を動かされ、自分の頭に向けた銃を下ろし、コインロッカーの中にしまった。
そしてスマホを取り出し、電話を掛けた。
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春日の言葉を聞き、やり直そうとした荒川真斗。
しかしその電話を切った時、ナイフが荒川真斗に突き刺さる。
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久米に刺された荒川真斗はその場で崩れ落ちる。
春日に抱きかかえられた荒川真斗は、春日にしか聞こえない何かを言う。
力の抜けていく荒川真斗……春日一番に残した本当の言葉。
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ストーリー最終回(´・ω・`) 結局……そうなってしまったか……orz [adcode] 十五章―成り上がりの果て#11 足立宏一 匿名で堀[…]