荒川真澄の妻―茜さんが産んだ赤ちゃんが入れられた場所。
しかしその結末は、より悲しく辛いものだった。
十三章―コインロッカーベイビー#1
春日と話した後、荒川真澄は星野会長と会食をしていた。
そこから一人で出ていき、帰り道に撃たれたことになる。
星龍会高部曰く、犯人は解散させられた近江連合の残党だという。
そして蒼天堀の方でも発砲事件があった。
狙われたのは渡瀬勝と堂島大吾。
二人には元東城会のレジェンド―桐生一馬たちが用心棒に付いており、無事だった。
春日たちも用心するよう高部は言って去っていく。
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沢城丈
極道の先輩おじさんたちに色々言われる中、沢城はずっと頭を下げていた。
沢城「近江連合は解散させません。新しい看板を掲げて存続させます」
ここで石尾田がやってきて、落とし前はつけるからこれで勘弁して欲しいと大金を持ってくる。
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これによってコロッと態度が代わるおじさんたちに、沢城は暴走する。
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東に集まった近江連合の連中を束ねて荒川組は再生させる。
御宅らの協力なんて必要ない。
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沢城「お前らみたいな抗争の一つも仕掛けられない口だけのヤクザが大っ嫌いなんだよ」
何年か前までは東城会の機嫌を伺い、昨日までは荒川真澄の機嫌を伺い……それが死んだら今度は先輩面して任侠道のご指導か?
御託を並べても、ヤクザは結局暴力。
強いやつに弱いやつが従う世界。
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そう言って目を潰す。
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沢城「俺がどういう男なのかくらい知ってるだろ?」
親を殺られて黙っていられるほど器はデカくない。
殺ったのは石尾田なのか……それとも別の関西のガキなのか……。
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因縁でっち上げて石尾田に喧嘩を売り、それきっかけで新しい組織の頭取ろうっていう考えなんだろうが、そうはいかないと石尾田。
石尾田「まあ今東京にいる近江の残党がまとまるまでは待ってやる」
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十三章―コインロッカーベイビー#2
一切躊躇することなく、荒川真澄は自分の指を切る。
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心配する星野会長は春日に電話を掛ける。
元気のないその声を聞き、春日を平安樓へ招待する。
星野会長と荒川真澄が最後に会った場所。
星野会長「荒川さんが食べたのと同じ料理をご馳走してやる」
春日は親っさんの最後の様子も聞きたいと仲間たちに告げ、平安樓へ行く。
平安樓
星野会長「昨日の荒川は舞台から降りた役者みたいに穏やかな顔だった……」
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実に美味しそうに北京ダックを平らげていた。
星野会長が「そんなに好きなのか?」と聞くと、荒川真澄は「初めて食べた」という。
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食事を終えた後、星野会長がホテルまで送ろうと言ったが断られる。
荒川真澄は「一人で夜風に当たりたい」と言っていた。
星野会長はそれで黙って見送ったが、強引にでも送り届けていれば殺されることはなかった……と。
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残党で間違いない。
きっと解散に対する報復だろう。
解散させられて迷惑こうむっている連中……。
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そいつらは今回の解散に黙っていられない連中の塊。
犯人はその中にいる可能性が高い。
星野会長「そしてその連中を裏で指揮出来る人間がいるとすれば……今や表の世界も裏の世界も自由に操れる青木遼しかいない」
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青木遼の意思が関わっているとみて間違いない。
そして荒川真澄亡き今、青木遼の勅令を受ける人間は限られている。
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荒川真澄は青木遼のタマを取ることは望んでいないはず。
荒川真澄は極道が権力者の手駒になることを憂いていた。
だから一世一代の大芝居を打ってまで近江連合を解散させた。
つまり極道の本来あるべき姿……
☆
それを貫くため荒川真澄が辛抱し続けた日々に報いるには、人ひとりのタマ取って解決してはいけない。
春日「そんなやり方、あの世の親っさんに顔向けできねえ……」
だから青木遼の目を覚まさせてやる。
ぶん殴って思い知らせてやる。
春日「俺がやれることは、それくらいしか……」
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青木遼と会う策は考えてある。
青木遼との接近に危険は避けられないが、星龍会の兵隊は遠慮する。
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青木遼に会うためには、久米と会うことが近道となる。 [adcode] 十三章―コインロッカーベイビー#3 春日を待っていた仲間たち。 青木遼に引き合[…]