異人三の関わりが徐々に分かってきました。
忘れてはいけない近江連合と東城会(´゚д゚`)
七章―蜘蛛の巣#3 コミジュルの偽札作り
少し見れば仕事の雑さが見えてしまうが、コミジュルの偽札はミクロ単位まで複写する最新の印刷システムで作っている。
そう言いながら、再び春日たちの前に現れる謎の女性。
その正体が明かされる。
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コミジュルの総帥……トップに立つ女性。
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箱に詰められた……白紙の束。
あれはとても特殊な紙で、大陸の工場で成分を調合されて精製されたものを横浜流氓が取り寄せている。
そして、ここで作られている日本円も同じ紙を使っている。
あの紙はもともとここで日本円を作るためにコミジュルが用意させたものだった。
- コミジュルが日本円を作るために紙の製造を横浜流氓に依頼する
- 出来上がった紙は一旦馬淵の倉庫へ
- 横浜流氓の人間がここに届けている
これはすべて、横浜流氓のトップ―趙に依頼したもの。
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ソンヒは、あれはハプニングだという。
馬淵の部下がある日、倉庫にあるあの紙を見つけた。
その男はかつて偽札ビジネスを生業としていた人間だった。
そして馬淵に提案し、馬淵はその話に乗ったまで。
馬淵は頭の切れる人間じゃないとソンヒは言う。
良い部下を持ってラッキーだと。
ソンヒは趙に、馬淵が人民元の偽札を作っていることを教えた。
しかし趙はそのことをすでに知っており、見て見ぬ振りをしていた。
趙が製造を止めるように指示したとしても、紙の使いみちを部下に聞かれたら説明に困る。
ましてや日本円製造ビジネスはお金になるから趙も止めたくない。
馬淵の会社の維持、部下の生活のためなら目をつむる。
馬淵は同じ紙で日本円が作られていることは知らない。
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円の紙は”みつまた”という植物からできている。
ただ他の原料や配合、そして製造方法は日本の国家機密。
あの手触りはそうそう再現できないとソンヒ。
ソンヒたちがそれを作れる理由、それはもう何十年も前にあるスジから情報が漏れていた。
足立でさえ若すぎるほどの昔……。
だからほとんど誰も知らないはずのその偽札を……
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あの偽札はこの場所から漏れたエラー品。
どこにも存在してはいけないはずのもの……「あなたはどこからこれを?」
コミジュルの監視システムは、春日がこの街に現れた時からの様子をずっと捉えていた。
当然、偽札を手にしている姿も。
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春日が映っているここ数日の映像は全部調べさせた。
でもその偽札が何かまるで分かっていないみたいだった。
そもそもこの土地へ来た時、撃たれて死にかけていた。
つまり春日にはここに来た特別な目的があるようには見えないとソンヒは言う。
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七章―蜘蛛の巣#4 ナンバの秘密
ナンバが異人町に現れたのは半年前。
他のホームレス仲間には目もくれず、ホームレス街からよくこの建物を盗み見してた。
なのに、偽札を持っていた春日とだけは急につるむようになった。
理由は?
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ナンバ……「この偽札がコミジュルのものだと知っていたな?」
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半年くらい前、偽札のことを嗅ぎつけたフリーの記者がいた。
秋葉正一……ところが異人町に入り込んで数日後……どこかに消えた。
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異人町には肉の壁があると聞かされていた。
よそ者が内側に入り込むことは出来ないとも。
だからナンバはホームレスに化けてねぐらに潜り込んだ。
コミジュルを監視していても何の糸口もつかめなかった、春日が来るまでは。
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これは弟が追っていた偽札だってことに、ナンバはすぐに気づいた。
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偽札を入手した流れから、弟の手がかりを聞き出してやると決めた。
蓋を開けてみれば、春日はナンバ以上に何も知らなかった。
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偽札のことを知らないのなら、これ以上つるむ理由はない。
近いうちに春日の前から消えるつもりだった。
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七章終わり! 八章から異人三も大きく動いていきますね(´゚д゚`) [adcode] 七章―蜘蛛の巣#5 コミジュル コミジュルの人間はナンバをどこ[…]