同級生の男子に、自分自身の殺害を依頼する。
「私を、殺して――」
あらすじ
クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。
死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。
家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。
二人が「作る」事件の結末は――。
感想/レビュー
人は死んでから評価される。
「あの子は優しくて可愛い子だった」
いなくなって、初めて自分の意見が通る。
悲しくて辛い状況の中で依頼するこの殺害は、とても切ない。
辻村深月さんらしい、リアルな話は何を読んでも心に響く。
こんな親なんて……、こんな学校生活なんて……。
この本をぜひ読んで、感じて欲しい。
辻村深月 読む順番のおすすめ
- 凍りのくじら
- スロウハイツの神様(上下)
- 島はぼくらと
- 冷たい校舎の時は止まる(上下)
- 子どもたちは夜と遊ぶ(上下)
- ぼくのメジャースプーン
- 名前探しの放課後(上下)
- ロードムービー
- 光待つ場所へ
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ