嘘つきジェンガ

【詐欺ミステリ】嘘つきジェンガ あらすじ・感想/レビュー【辻村深月】

嘘つきジェンガ

 

詐欺で騙される話、詐欺で騙す話、短編三作品。

 

  1. 2020年のロマンス詐欺
  2. 五年目の受験詐欺
  3. あの人のサロン詐欺

 

あらすじ

 

『2020年のロマンス詐欺』

まさか、こんな2020年の春が待っているとは思いもしなかった――。

コロナにより、緊急事態宣言は発令してしまい――。

地元の友人から「メールでできる簡単なバイト」を紹介され――。

『未希子』という主婦と親密なやりとりを交わすようになり、ある日、未希子から「助けて、私、殺される」というメッセージが届く……。

『五年目の受験詐欺』

「紹介は詐欺だったんです。私たち、騙されていたんですよ」――電話口でそう告げた女の声に「風間多佳子」は驚愕した。

完全紹介制の『まさこ塾』。

詐欺と言われてもにわかには信じられなかった。なぜなら、「大貴」は志望校に合格したのだから。

頑張っても頑張ってもなかなか成績が上がらず苦しむ息子の姿に心引き裂かれていた多佳子は、息子を信じようと決意しながらも、つい、まさこ先生に持ち掛けられた、100万円で受けられる「特別紹介の事前受験」という甘い誘いに、夫にも内緒で乗ってしまった。

あれが詐欺なら、息子は自力で合格したのか?

混乱する多佳子のもとに、「まさこ塾」で親しくしていた「北野広恵」から連絡がある。「多佳子さんにも、当時、まさこ先生からその……お誘いはあったの?」

『あの人のサロン詐欺』

「紡」はオンラインサロン「谷嵜レオ創作オンラインサロンオフ会」を主宰している。

紡が発する言葉を熱心に書き留める参加者たち……谷嵜レオになるまで、紡は自分がこんな風に話せる人間だとは知らなかった。

自分の作品を熱心に愛してくれる皆が、紡の話に真剣に耳を傾けてくれる高揚感で、オフ会の時間はあっという間に過ぎる。しかし、じつは紡は谷嵜レオではない。

谷嵜が覆面作家なのをいいことに、創作サロンの参加者にも、自分の家族にもそう偽っているのだ。

これは詐欺なのだろうが、全身で谷嵜レオを生きてしまっている紡には、その考えはしっくりこなかった。

ほんものの谷嵜が逮捕されてしまうまでは……。

 

感想/レビュー

 

一話100頁弱の三作品。

 

三作品とも、リアルな詐欺をメインに作られた話なんですが、各話の主人公の気持ちが凄く分かる。

詐欺被害の話はもちろん辛い選択の末、悪い方へ行ってしまった。

加害者側の話は、それはそれで悲しく辛いお話。

 

『あの人のサロン詐欺』の主人公――紡は本当に、心から愛していたんだなと辛くなった……。

 

辻村深月 読む順番のおすすめ

 

  1. 凍りのくじら
  2. スロウハイツの神様(上下)
  3. 冷たい校舎の時は止まる(上下)
  4. 子どもたちは夜と遊ぶ(上下)
  5. ぼくのメジャースプーン
  6. 名前探しの放課後(上下)
  7. ロードムービー
  8. 光待つ場所へ
  9. ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ

 

人によっておすすめな順番はあるみたいですが、私は上記の順番で読んでいきます。

 

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