”かがみの孤城”はポプラ社から出版されている大人気作品。
2022年12月23日に劇場版が公開されました。
※なるべくネタバレにならない程度に書いています。
あらすじ
学校で居場所をなくし、閉じこもっていた主人公――安西こころ。
ある日突然部屋の鏡が光だし、その光り輝く鏡をくぐり抜けた先には城のような建物があった。
そこにはオオカミの面を付けた少女が待ち受け、こころを含め、似た境遇の7人が集められていた。
城に隠された鍵を探せば願いが叶えられる。
全てが明らかになる時、驚きとともに大きな感動に包まれる。
感想・レビュー
まずこの小説は3つの部で区切られています。
- 第一部:様子見の一学期 五月 六月 七月 八月
- 第二部:気づきの二学期 九月 十月 十一月 十二月
- 第三部:お別れの三学期 一月 二月 三月
見てわかる通り、十一ヶ月のお話になっています。
そもそもは、中学一年生の安西こころが一ヶ月で学校での居場所を無くしてしまったこと、それはなぜか。
これはリアル――現実世界のお話。
ようは、現実世界とかがみの中の世界の二つが描かれています。
学校に行きたくないと言う安西こころと、頑張ってスクール――学校に行けなくなった子たちを支える場所には行かせたいその母親の話。
これは仮病じゃないんだよ……と訴えるリアルさ。
親子の話もそうですが、対学校や関係生徒等の話もリアルで辛くなる。
かがみの中のお城
ここでは先に書いてある通り、似た境遇の七人とオオカミ様のお話。
一人一人がしっかりとしていて、本当に似た境遇なのかと疑うほどに……。しかし、現実はそう明るくはなかった。
学校に居場所はないんだ。
僕たち――私たちは助け合える。
似た境遇だからこそ、互いの辛さ、気持ちがわかる。
そういうお話。
願いが叶えられたらこの城への道は絶たれる。
期限は三月三十日、この期限が過ぎても道は絶たれる。
だから、願いを叶えたいのであっても、三月三十日までは待とう、そう皆で決めた。
まとめ
リアル世界の話、かがみの中のお城での話、ともにジーンと来るシーンが多かった。
親が不登校になってしまった子供に対する考えを大事にしてほしいと思える。
親の気持ちも、子供の気持ちも凄く分かるし、互いに「違うんだよ、そうじゃないんだよ」って辛くなる会話もあった。
兎にも角にも、かがみの孤城には伏線がたくさんあり、それらが上手く回収される感動傑作です。
恥ずかしながら辻村深月さんの作品はこれが初めてだったのですが、『凄い……』と固まってしまいました。
他の作品も読みたい、そう思える、よりたくさんの人に読んで欲しい作品です。
辻村深月 読む順番のおすすめ
- 凍りのくじら
- スロウハイツの神様(上下)
- 冷たい校舎の時は止まる(上下)
- 子どもたちは夜と遊ぶ(上下)
- ぼくのメジャースプーン
- 名前探しの放課後(上下)
- ロードムービー
- 光待つ場所へ
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ
人によっておすすめな順番はあるみたいですが、私は上記の順番で読んでいきます。
【あらすじ・感想/レビュー】