一生のうち、一度は皆が思うこと――死んだあの人にもう一度会いたい。
そんな夢のある物語。
あらすじ
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者――ツナグ」。
突然死したアイドルが心の支えだったOL。
年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子。
親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生。
失踪した婚約者を待ち続ける会社員。
ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。
それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。
心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
感想/レビュー
- アイドルの心得
- 長男の心得
- 親友の心得
- 待ち人の心得
- 使者の心得
この5つのお話になっています。
生者が会える死者は1人だけ、死者が会える生者も1人だけ。
生者は会いたい死者を選べるけど、死者は待つのみで、会うかどうかの選択が出来る。
死者Aに会った場合、それ以降、その死者Aには誰も会うことが出来ない。
生者Bが死者に会っても、死者となったBは生者からの再会を待つことが出来る。
〇〇の心得っていうタイトルがすごく良い。
生者にも死者にもそれぞれ想いがあり、一夜という短い時間だけだけど、だからこそ伝えたいことや話したいことが凝縮される。
「再会したからといって、悔いが無くなる訳じゃない」
想いは本当にいろいろある。
何を残すのか。何を残せたのか。
読者もまた然り。
辻村深月 読む順番のおすすめ
- 凍りのくじら
- スロウハイツの神様(上下)
- 冷たい校舎の時は止まる(上下)
- 子どもたちは夜と遊ぶ(上下)
- ぼくのメジャースプーン
- 名前探しの放課後(上下)
- ロードムービー
- 光待つ場所へ
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ
人によっておすすめな順番はあるみたいですが、私は上記の順番で読んでいきます。